機械部・ステンレス加工(コンテンツ2)

☆POINT

・RB-7VM(1号機)による機械加工

・素材はステンレスなので急な熱伝導による変形、歪みがある

・製品の厚み20㍉が全体的に必須

・テーブルをはみ出しての加工なので、精度を出しにくい

①セッティング・段取り

縦軸メインの大型機械加工はワークが動きにくい利点があるので、大胆に加工できる。
この製品は過去最高のクランプ数30箇所越え(ブロック数は約60個)で段取りに時間がかかる。
平行と芯、原点を出す。図面、取り代、プログラムチェックをする。

②加工前穴加工・荒加工

加工前に、切削用のタップ穴を黒皮時に開けます。 
これは、正攻法ではなく異端的な手法ですがブロックを浮かさずクランプするために、先にクランプ用のタップ穴(M16)を開けてしまい、締め込んでしまおうとの発想です。

タップ穴が完成したら、反転さして面を荒加工します。

③面切削・円弧補間切削・M6M8下穴加工

黒皮時に開けたタップ穴で平行と芯を出して、30ヵ所を締め付けて面切削作業をします。
歪まないようにチップをよく確認しながら切削する。摩耗するタイミングを把握する。全ての黒皮を切削しながらも何度も製品を反転さして、歪みがない状態にする。 
仮仕上げが終わったら、5.1DR(32ヵ所)と6.8DR(208ヵ所)の穴開け夜間運転を実行する。

④高送りFBで切削・エンドミル夜間運転

詳細部2の箇所を高送りFB(速く切削できるカッター)で切削します。ステンレスはひと昔前は鉄の切削よりも半分のスピードで削るのが常套手段でしたが、現代では熱を持つ前に速く駆け抜ける方が良い場合があります。
夜間運転で詳細部2のR部加工をΦ10エンドミルで、内周と外周をΦ30のエンドミルで切削します。

⑤面仕上げ

荒加工面を性能の良いカッターで一律0.2㍉程の当たりで仕上げます。ステンレスは切り粉が溶着しやすいので、油とエアーを施しながら仕上げます。
測定、検査成績書を作成して加工終了になります。厚み20㍉(±0.2以内)が必須です。
クレーンで吊る時も製品が薄いので慎重に。

検査成績表を記入、作成して加工終了になります。